元自衛官の性被害、謝罪は「加害者本人の意向が重要」　浜田防衛相

自衛隊の訓練中に性被害を受けた元陸上自衛官の五ノ井里奈さん（23）が加害者本人からの謝罪を求めていることについて、浜田靖一防衛相は11日午前の閣議後会見で「（加害者）本人の意向というのが重要」と述べた。「現在、懲戒処分に向けた調査を行っているところであり、誰にどのような責任があるか予断をもって答えることは適当ではない」とも語った。

　五ノ井さんは2020～21年、隊員から性的な身体接触や発言を受けたほか、押し倒されるなどした上で口止めされていた。五ノ井さんの訴えを受けた中隊長が上司の大隊長に報告せず、事実関係を調査していなかった。防衛省はこれらの調査結果を9月29日に発表し、町田一仁人事教育局長らが五ノ井さんに謝罪。五ノ井さんは加害者本人からの謝罪を求めていた。

　浜田氏は会見で、懲戒処分に向けた調査を進めていると説明する一方、「自衛隊員に対しては服務教育の一環として規律心や責任感、公徳心などの指導を行っている」と発言。「本人の意向というのが重要なのかなと考えている」と述べた。（松山尚幹）

朝日新聞　2022年10月11日 12時47分
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